Accel Nagao : 2/26、スマップスマップなど観る

高円寺の駅で途中下車し香代が食べたいと言っていたリトルマーメイドの
ベビーコーンというパンを買った。
それからスモールミュージックという高円寺のキザなレンタルCDショップへ。
職場の人に薦められたワールドスタンダードとか、
チャイルディスクのコンピとか、前から気になっていたジョンケージとか、
知らないアフリカのバラフォン奏者のCDとか
結局全部挙げてしまったが北アフリカの
ティナリウェンというバンドのCDを借りた。
こんなに不思議なCDを300円という値段でいっぱい借りれるのは
とてもいいCD屋だと思うが、いかんせんマニアックな品揃えでキザだ。
世話になっていて文句をいうのもどうかと思うが、
日本人のインディーズも扱っているから、赤い疑惑もどうかな、
と思って勇気を出して「扱ってもらえませんか?」と営業に行ったが、
怪訝な顔で「お断りしてます」とやられてしまった。
こんなマニアックな品揃えなら赤い疑惑だって並べてもいーじゃん、
と思うのだが、むこうの勉強不足か、
(赤い疑惑はこの店に合ってる)というオレの思い違いなのか。

人から貰ったタイカレーのルーを使ってアクセルカレーを作った。
豚肉をヨーグルトにつけ込んだり、いろいろと手の込んだことをやった。
香代が陶芸教室でおばちゃんから大量に貰ってきた、
でも、ほとんどそれまで存在を知らなかったヤーコンという野菜を、
ここ一週間、いろんな調理法でやっつけて食べ続けているのだが、
今日もそのヤーコンはアクセルカレーの一員となり、
副菜で作った白和え風サラダにも投入されることとなった。

ダイニングキッチンからきっちり二つ奇麗に別れた和室が
オレと香代のそれぞれの部屋だが、
冬の寒い間はダイニングキッチンではなくオレの6畳の
ちゃぶ台に2人並んでメシを喰うのが常で、
今日もそのスタイルだ。
タイのグリーンカレーのルーは激辛い、ということは薄々察知していたので、
トマト缶を入れたり、ヨーグルト入れたり、スープで薄めたり、
ハチミツを加えてみたり、いろいろ工夫したのに、
味見の時に大体は分かっていたが、
実際に食べ出してみると、やっぱりとても辛い。
オレは辛いものが嫌いじゃないけどすぐに反応してしまって
首から上がすぐに真っ赤になって気づくと大量の汗をかく。
「辛いよね〜、うまいけど」と隣でうなずく香代の顔からは汗が出ていない。
不思議なので「これ食っても、汗かかないの?」と念を押してみると。
「かかないよ」と言う。
同じ人間なのに何でこうも違うのだろう、
オレはチッシュで顔中の汗を拭かなければならなかった。

テレビをつけると「スマップスマップ」がやっていて
藤原紀香なんかがビストロスマップのゲストとして出ている。
以前、「藤原紀香40代説」というゴシップを誰からともなく聞き、
普段は芸能ネタにまったく興味がないオレも、
藤原紀香の顔とあの風格を想像し、
(40代でもおかしくないかもしれないぞ)と思い爆笑したことを思い出した。
誰だかお笑いの人と結婚して幸せそうな藤原嬢は
フランクにトークしてていい人そうだ。
そして40代説はやっぱり嘘だろうなと思って、
くだらないゴシップに興奮した過去の自分を反省した。
ついでにその後浜崎あゆみが出てきたのだが、
その顔立ちがどうも普通じゃないな、と思い直し、
よく人が来ると案内する我が家のダイニングキッチンに、
もしオレの友達と並んでこの浜崎さんが並んだら
どうだろうと思って、その風景を想像してみたら、
あまりの違和感に「ブっ」と吹き出してしまった。
オレが吹き出したのにつられて香代も吹き出しそうになったが、
みそ汁を飲んでいる途中だったらしく、ゲホゲホやっている。
それまでしばらく沈黙が続いていたのにオレが「ブっ」と
やったから香代もつられただけだと思うが、
香代もやはり浜崎さんの顔に注目していたことは確かなようだ。
それからよく考えてみると浜崎さんのように化粧の濃い人が
自分の周りにはあまりいないという事実が浮かび上がり、
香代に同意を求めたら、「そうだね」というのでそれが原因らしい。
「香代のまわりもそういう(化粧の濃い)人いないものね?」
と重ねて尋ねるとやはり「そうだね」と言った。

その後香代が眼の奥が痛いといってブーブー始まってしまった。
「蛍光灯消してちょうだい」といって、眼が痛いのは
オレの部屋の蛍光灯のせいにされてしまい、失敬なとは思ったが、
そういうこともあるのかもしれない、と思い直し、素直に応じた。
真っ暗になってしまったら今度はテレビがうるさく感じられ、
それは香代ではなくオレが感じたのでテレビも消した。
真っ暗なのでスタンド電球をつけてみると
部屋の感じが一気に変わった。
確かに蛍光灯の灯りは少し強過ぎるかもしれないと
オレも最近は思うようになってきているのだった。
香代は安心してその場で眠ってしまったのだが、
オレは赤い疑惑の掲示板に書きたいことがあったので、
パソコンだけつけて得意の駄文を打ち込んだ。
パソコンのモニターと向かい合いながら、
これも最近は強い刺激な気がしていやだなあと思ってるのだが、、、。

posted : 07/02/26/01:01 TOP ↑
Accel Nagao : 2/18、西荻にて

ねろというのはオレが弾き語りをやっているプロジェクト名なんだが、
そのライブが西荻の、オレらがいつも赤い疑惑の練習で使っている
リンキーディンクスタジオというスタジオであった。
ライブの前に赤い疑惑の練習を入れて経済的にした。

赤い疑惑の練習が終わってから、
今度はねろになってリハーサルをして
その後ライブまで暇なのでブレーキとクラッチに居てもらって
しゃれおつなチキンライス屋さんに2人を連れて行ったら、
「うまい、うまい」と言って食ってくれた。
もう何年も一緒にいるし、
特に何も話すこともないような感じだったので、
だらだら過ごした。
しかしこのしゃれおつな店に、オレを含めた
赤い疑惑は馴染んでいたとはいえなかったと思う。
オレはオレのオッサンぶりをかえりみずに、
いつもクラッチとブレーキのオッサンぶりを拝見しているから、
(さて、この2人はこの店で浮いている方面の人間であると
自分で認識しているのだろうか)と
自分を棚にあげて心配した。

ライブ前に1時間ねろの個人練習というのをやったが
いつも通り思い通りにギターは鳴らず、
思い通りに唄が唄えない。
焦っている間に時間が過ぎてしまい、
いさぎよく諦めることにつとめた。

それからモスバーガーに行って心を落ち着けた。
というのは会場にいれば出番まで
若いハードコアパンクのバンドのライブを観ていなければいけない。
オレはもうハードコアパンクを聴ける身体を持っていないのだ。
10年前までオレを魅了してやまなかった音楽が
今は思い出の1ページになってしまっているのだ。
とても恐ろしいことだ。

こんなことを書いたら
ハードコアパンクをやっている業界の人にはホされてしまうに違いない。
それに企画者には大変申しわけない。
しかしオレは嘘をつくのはいやだし、
性分的に嘘はつけない。

なのでモスバーガーでそういうことを考えながら、
(これじゃあ、これからは自分がイベントに
参加させてもらうのも慎重に考えなきゃいけないなあ)と思った。

出番が近づいて呼吸に気をつけながらスタジオに戻ると
見覚えのある男がいると思ったら、それはネギ君だった。
紹介すると長くなるので割愛するが、
ひょんなことから知り合ったこのフーテンは、
とにかくとても愛嬌と愛に満ちあふれている人だ。
赤い疑惑の大ファンでもある。
フーテンと書いたら怒られそうだけど、
この人はとにかく仕事が続かないので、
いつもギターを売った、とか、レコードを売った、とか
そんなことばかり言っている。

それでネギ君と一緒に竜ちゃんという、
こちらはオレは初めて会ったのでずっと恐縮していたが、
ネギ君のお友達が来ていて、
彼はリュック一杯にパンデイロというブラジルの太鼓や
ピアニカや、名前の知らない変てこな楽器を詰めていた。
それで何故か「一緒にやりましょうか」ということになった。

「一緒にやりましょうか」といったのは普通オレが言うセリフなんだろうけど、
この時はむしろ楽器をリュックにつめて
オレを観にきたネギ君のお友達の竜ちゃんからであった。
するとどうも竜ちゃんが図々しい人間のように誤解されてしまいそうだが、
そうではなくて竜ちゃんはネギ君と同じで
愛に溢れていて謙虚な人なのだ。
「一緒にやりましょうか」がすごくナチャラルだったので、
「あ、じゃあ、お願いします」と言ってすぐに了承した。
すると「え〜、じゃあオレもやる〜」と言ってネギ君がいつの間にか
マイギターを取り出していた。

かくしてねろは初のゲストミュージシャンに囲まれてライブをやるという
光栄を勝ち取ったのであった。
オレが少しくらいギターを間違えてもそれをカバーしてくれる
瞬発力のいい人達だった。
それでリラックスして、いや冷や汗はいつものように出てたけど、
とにかくライブを楽しくやることができた。
MCで「農業に大変興味があります」というような話をしたら、
ライブ終了後竜ちゃんが即行で「オレ畑手伝うよ」と満面の笑顔で言った。
ネギ君は「も〜、超気持よかった〜」といってハグしてきた。
ネギ君達の他にただ一人ねろを応援しにきてくれた
恋人の香代んも「今日はよかったよ〜」と満足気である。
オレはいつも通り不完全な演奏だったけど、
もう何だか楽しくなってきてしまって、
ああ、楽しいな、楽しいなという感じ。

帰りに香代と大戸屋で晩メシを食べた。
大きいテーブルの反対の角で食事をしていた
草臥れたサラリーマンが鮭に醤油をジャンジャンかけていてびっくりした。
鮭は大体塩焼きなんじゃなかろうか、
いや塩焼きじゃないないのもあるのかな。
しかしあの量は尋常じゃないみたいである。
彼は別の小鉢にもドボドボ醤油をかけていた。
更に観察していると食い終わってウトウトしている。
これは相当普段の疲れが溜まっていて
彼はあんなに濃い味党になってしまったのだろうと納得した。
しかし不思議なことは山盛りのキャベツの千切りを
箸に持てるだけ豪快に取って
そしてまったく何にもつけずに頬張ったことだ。
オレは何かつけてしまうけどな〜。とまた余計なことを考えた。
しかし何より今日は楽しく音楽できて幸せだった。

posted : 07/02/18/00:41 TOP ↑
Accel Nagao : 2/14、ナンパ思いだすバレンタイン

この日になると2年前に居眠り運転で事故ったことを思いだす。
大きな事故で、生まれて初めてといっていいほどあたふたした。
あの時ガンで亡くなった母親は闘病中だった。
本当に幸いなことにオレはごく軽傷で済んだので、
母親はもちろん家族には黙っていようと決意した。
事故にあったなどと言って病気の母に不要な心配をかけてしまっては
とんでもない親不孝ものである。
結局バレずに済んだが、本当にあの時は自分が情けなかった。

変に暖かくなってきてしまって例年春の知らせを告げる
会社の前の梅の木にもうポツポツと梅が咲き始めてしまった。
「右翼のオヤジと喧嘩した」だの
「ヤクザの事務所に納品に行ったことがあってそれは恐かった」だの
社長が昔仕事を仕切っていた頃の様々な武勇伝があって、
それはどうも実話のようなのだが、
オレはそういった武勇伝を、ここで務めている2年半の間、
何回も、あたかもオレに初めて語るかの様に熱弁されたことがある。
今日もオレの雑務職を引き継ぐ予定の新入りアルバイト君に
早速そのオレは何回も聞いた武勇伝を興奮気味にしゃべりだした。
オレがニヤニヤしてると社長が今度はオレの方を向いて、
また、あたかもオレに初めて喋るかのような熱の入れっぷりで
話してくるのである。
オレは社長には聞こえないように、でも新入り君には聞こえるように
「この話聞くの、オレ、5、6回目だわ」と呟くと、
「えっ?!」と言って眼を丸くしてすぐに事情が分かったようで
「フフフ」と笑っていた。
この新入り君は、年を聞けばまだ二十歳だというのである。
そしてすごくいいヤツである。
オレは(会社は辞めても、彼とは友達になろうかな)などと
いい年をして考えるのだ。
8才も若くまだ世知辛さの「世」の字も知らないくらいウブな輩だ。

先日車で配達をする仕事を彼に教えるために彼を助手席に乗せ、
配達ルートをドライブした時があって、
「おぬし、彼女はいるのか?」と問うと、
「いねえっす」と言った。
そして勿論です、というような顔で笑っていた。
その後、お決まりの「出会い」とかそういうのはないのか、
というようなトークをしていると
「ナンパできないっすかね」と突拍子もなく言うのである。
ナンパなんてとてもできそうにない相であるのにビックリし、
同時に昔、無謀にも吉祥寺などで
アホな友人とナンパをして遊んでいた自分を思いだして更にビックリし、
「オレ、昔やってたよ〜、ナンパ。ありゃあ、大変だよ。」
と先輩ぶって彼をなだめた。
オレは自分がナンパなど決してやってはいけない性分で、
まず似つかわしくない貧相な顔と身体の持ち主であることは知っていた。
それでも、若き性欲のようなモノはオレを動かしたのだ。
それから坊ちゃん育ちなのに「不良」に憧れ、
その憧れの無理矢理な具体化を図ってみたということもあったと思う。
結果、やはり自分には向いてない遊びだと分かったが、
思い出としてはとてもいい思い出として残っている。
「ナンパなんかできたら最強じゃないっすか?」
オレが悠久の想いに浸っていると新入り君は興奮してそう言った。
確かにナンパができる人はすごいと思う。
これだけ近所付き合いとか他人との接触を
回避しようという努める21世紀の日本社会の中で、
いくら性的理由が第一だとしても
赤の他人に「これからどう?」なんて声をかけるとは、
バカもいいところだ。バカで最強だ。

バレンタインで雨が降っている。
帰りに香代から「抹茶を買ってきて」と命令が下された。
(何でまた抹茶?)とは思ったが気を使って買って帰った。
普段オレより帰りが遅い香代が、
今日は私の料理でお出迎え、である。
いい顔をして料理をしている。
実際最近はいつもオレが先に帰宅するからほとんどオレが晩メシを
作ってしまうのだけど、今日はおもてなしを受ける番で嬉しい。
味付けが旨くいかなかったという菜の花のパスタと
最後の最後飲みきる時に
明太子が入っていたことに気づかされた不思議なクリ−ムスープと
バジルのソースで和えた新ジャガの素揚げの豪華3点だ。
味付けが旨くいかなかったというパスタは
実際(どうかな)という感じだったので嘘のつけないオレは
香代の「味付けが旨くいかなかった」というのに賛同した。
折角の気持を踏みにじるともいえる批評なので、
「でも、気持が最高においしい」となるべく元気よく言った。
そしたらいつも通りの楽しい食事になった。

シャワーを浴びて足の筋を前屈で伸ばしていたら、
数日前のこと「バレンタインがおはぎだったら最高だね」と
押し付けがましいアホな発言を自分がしたことを思いだした。
その発言に爆笑してた香代が笑いながらも(よしっ)というような
表情をしていたことを思いだし、
そして今日帰りに抹茶を買って来いと言われたことも思いだして、
(はっ、本当におはぎが出て来るかもしれない)と思って興奮した。
香代に「おはぎ?」と聞くと、
ニヤッとして「何だ、(抹茶を)買ってきてって言った時か、
実際後で(多分おはぎを)出した時に気づいてほしかった」と言った。
そして香代もシャワーに入ったところでこの日記を付け始めた。
だからまだおはぎは出てきてなくて、
もしかしたらおはぎではなくてあんこを使った別の和菓子、
またはキテレツなおはぎチョコレートかもしれない。
それとも、今までの流れを無視して普通のチョコレートが
出て来るかもしれない。
または何も出て来ないかもしれない。
おととい買ったアフリカ音楽10枚セットのディスク2を聴きながら。

posted : 07/02/14/22:22 TOP ↑
Accel Nagao : 2/5、ウトウトと夢見がち

オレの後継者の新入りバイト君が2日目にいきなり遅刻をしてきて焦る。
内心(やっぱりこんな事務仕事やりたくないのかな〜)と本当に心配になった。
しかし1時間程後にノコノコとそしてニコニコと
「すんません、寝坊してしまって」ととぼけた感じで入場してきて、
肩すかしを喰らい、(けど、こいつイけるかもしれない)と
急に人生がコメディーのようになってしまった。

そつなく新人のトレーニングをこなして時間が過ぎ、
しかしこの後新大久保で弾き語りのライブがあるので
早退予定の午後3時が近づくにつれてソワソワし出す。
結局仕事の始末が悪く、3時半に低頭退社した。

大久保の駅で降りたが、いつもの大久保通りが見当たらない
出口に出てしまったため、適当に人の流れる方向に向かって
歩き出したら何だかとっても遠回りに歩き回ってしまった。
それで、大久保はいつ来ても旅行気分というか異国情緒になる、
ということが判明した。

今日は友達を誰も呼んでいないし、
香代が「間に合うかわからんけど、行ってあげようか」と
まるでオレを幼稚園児のようにかわいがるのを、
「いいよ、大丈夫だから」と余裕こいちゃったし。
本当に誰も来ないかもしれない。

リハが終わってここ(新大久保)で2回くらい食った
ホットックという韓国のオヤキみたいなお菓子を、
性懲りもなくまた買い食いした。
それから喫茶店を探したけどないのでビルディーに入った。
ビルディーの店員がいきなり韓国語で出てきたらどうしよう、
と少し警戒したが普通の日本語を話す店員でホッとした。

大便をしてドリンクバーを頼んでまったりと
今日やる曲のコード進行と歌詞とかを思いだしてみるのだった。
今までに10回くらい1人で弾き語りをやったが、
ちゃんとギターが弾けて唄が唄えたと思えたことが一回もないからだ。
それに曲の途中で次のコードが思いだせなくて、
数秒間曲がとまったり、そのまま終わってしまったことが度々あった。
これはギタリストの親父を持っていながらなんて親不孝なのだろうと、
前々から度々思っていたことであった。
そして唄も親父より数段下手クソだということが
年をとって冷静になってくると、認識せざるをえなくなってきてもいるのだ。

一生懸命歌詞やコード進行を思いだしていたが、
やっぱり実際弾いて唄ってみないとわからないので、
携帯している書物を読み出すとすぐに眠くなってきて
ウトウトしてしまった。
前に座ってた平凡なサラリーマンも仕事をしながら
ウトウトしていたので、オレもウトウトしても良かった気がした。

そしてすぐに本番になり、
ステージに上がると客席に人が居ない。
ある程度人が集まらない時間帯、場所、イベントであるとは
覚悟していたが、本当に誰もいない。
しかし(ここでいかに冷静にライブを始めるかで
オレのオトコ度が決まる)と思い、腹に力を入れて
深呼吸をしてライブを始めたら、
ちらほらと人が現れ始め、しめて7、8人はいるようである。
平和な日本で生きる普通の人がまず現れないような非日常的な
場末の地下一階でまばらな人を前にし、何故オレは唄うのか、
ということが頭の中を通り過ぎる。
これがオレの今の現場なのだ。
そんなことを噛み締めながら一生懸命やるが、
いつも通りギターや唄を間違える。
しかしもう間違えることは覚悟の上だったから平気だった。
そして脇の汗が肘へとしたたるのがわかったくらい緊張してたが、
(唄を唄うことはやはり面白いかもしれない)と決着をつけ、
そこからはとても楽しいライブになった。

「CDを持ってきているのでよかったら声かけてください」
とついついアナウンスしたのでライブが終わってから
一応フロアをウロウロしてみたけど
誰も声をかけてくる気配はないのでがっかりした。
そしてすぐに、申し訳ないことだが、
対バンの人を見て帰るのが草臥れそうなので、
コソコソと身支度を整えて、
ライブハウスの人に挨拶して即帰宅した。

帰ってまだ10時前だったので
丁度同じタイミングで帰ってきた香代氏と
夕飯を賑やかに作り出し、
その時にかけた北アフリカのソウルフルな
カフェミュージックがやばかった。
オレはもう何回も聴いたCDだったし、
香代も何回か聴いたことがあるCDだったのに、
オレは(あれ、こんなかっこよかったかな)と思って踊り出し、
香代は「あれ、このCD誰?」と声に出して踊り出した。
それほど何故か新鮮な感じがして、
これは今一番熱い音楽だと興奮して2人で踊った。
聴く場所やタイミングや状況でこうも印象が変わるのか、
音楽は奇妙である。
確かにやる方にもそれはあてはまり、
いつか大自然の中で自分の音楽をやってみたいな、と思う。

posted : 07/02/05/00:09 TOP ↑
Accel Nagao : 2/1。五里霧中の28の輩

2007も早くも一ヶ月が過ぎた。
本来なら今の職場を離れているはずだが、
後継者のリタイヤが原因で
いまだにフリーターブリーダーの前で仕事をしている。

はーどうなることやらと思っているが、
今日はさらに追い打ちをかけるような不安な出来事があった。

求人で新しく採用する予定の人材が2人決まり、
明日から来てもらうことになっているのだが、
2人とも染めの現場での仕事と思い込んでいるようだ。
実際は1人が染めの現場、1人がオレの雑用職の引き継ぎ。
オレは腰が悪いことが原因でこの会社に雑務係として採用された。
求人には「染色に興味のある人」として掲載されており、
面接に参じるものは皆、「染める気満々の若者」である。

オレがこの職場を辞めることを告げたのはヒロシさんだけで、
社長はまだそのことを知らないらしいことを今日知った。
てっきりヒロシさんから社長に通達されたモノだと思っていた。
面接はすべて社長がこなす。
単純に新しい職員を入れるつもりでこなしていたのだった。
それで事務の仕事を引き継がせることを知らない社長は
染めの現場で、という前提で面接志願者に話しを進めていたのだ。
要するに問題は「染める気満々の若者」が
オレがやっているメール応対やら電話応対やら、
配達やら在庫チェックやらそういう地味な仕事をやらされることであり、
(え、何でオレがこんなことをやらされなきゃいけないの)とその若者は感じ、
下手をすれば2、3日で辞めてしまい、
またオレの退職期が暗礁に乗り上げる。

オレが辞めることはヒロシさんの口から何故か社長には伝達されておらず、
ただ「事務職をもう一人採用するから」くらいの打ち合わせしかしておらず、
社長もその辺は適当にしか認識しておらず、
オレはその辺が曖昧で怪しいな〜と思って社長による面接を
隣で聞いていたのだけどその辺は勿論いちアルバイトの分際で
突っ込めるわけにももちろんいかず、結果がこの事態だ。

ヒロシさんは事務として一人採用する気満々だったから
「何で事務仕事をやってもらうことを面接で言わなかったんだ?」
社長(ヒロシさんの母親)に向かって怒鳴っている。
「知らないわよ、そんなの!」とブリーダーも負けじと吠えている。
ああまたいつもの親子喧嘩が始まった。

何しろ仕事を仕切っているのはヒロシさんであり、
ヒロシさんが面接もやれば何も問題は起こらなかったのであるが、
ヒロシさんは仕事に忙しいからという理由で
面接は社長にやってもらうのである。
でも本当はヒロシさんが、人と接触するのが割りと苦手で、
面接することが好きじゃないから、その嫌な役目を
社長に押し付けているようにオレには映り、
今回のヒロシさんと社長とのすれ違いはヒロシさんに原因があるような気がする。
しかしそんなことはまさか言えない。
もしかしたらこの日記を読んでいたらどうしよう。

社長が半分逆ギレしながら職場を早退した後、
「何だよな〜、社長さん、ちゃんと面接してくれよな〜、
新人さんいきなり事務仕事やらされて
2、3日で辞めちゃったらどうする?」なんて笑って言っている。
どうするんですか、本当に、と聞きたいのはこちらの方である。
まったくこの2人の微妙な親子関係には参ってしまう。
2人の口喧嘩には2年も働いていれば慣れてしまったが、
その喧嘩っぷりは反抗期の中学生の息子と
その息子の青っぱなをへしおらんと咆哮する鬼ババの有様だ。
2人ともオレと個人的に接する時は優しすぎるくらい
優しい人達なのだが。

冷蔵庫に何が入っていたかな〜と思いめぐらせ、
まあ、あるもので済むだろうと楽観的解決をし、
中央線直通の三鷹行きである東西線に揺られ眠る。

先日香代の母親から「将来の人生設計プランについて」
というもの凄いえぐいテーマを携帯メールで突然聞かれた。
携帯メールを交わす程気安い付き合いをさせてもらっているのだが、
この質問には思わず、げっ、となってしまった。
しかも何故恵子さん(香代の母親)がそんなことを
いきなり切り出してきたのかというと、
オレのオヤジが作っている長尾家家族新聞「なぎのや」を読んで、
「赤い疑惑が雑誌『楽しい中央線』に掲載された」
というオヤジによる親バカ記事を眼にしたからだった。
問題は「実家暮らしのダメ〜なフリーターバンド赤い疑惑の面々が、
アルバイトならなんでもやる」という今話題の捏造記事を
半分面白がって父親が論評しているのである。
「もうちょっと将来のことを真剣に考えてもらわないと困る」
などとオヤジは批評している。
多分、半分はホントにオレのことを心配し、半分はふざけている。
しかしあの『楽しい中央線』の連載には不本意な点がいっぱいあって、
それはオレが「社会的に不適合。アルバイトで何が悪い。
オレは好きなことをやるだけさ」みたいなキャラクターにされていたり、
「将来の夢=フリーター」なんて書かれていたりしたことだ。
これには担当者との打ち合わせがうまくいかなかったことが原因で、
担当者もオレの知り合いで、悪気はなく、ただ雑誌としてのノリで、
面白い表現を使わなければならなかったから、という理由だったから
まあ、仕方がないのだが、それが原因で
オレはこの雑誌の連載継続を断ったのだった。
オレは「フリーターだからという理由で蔑むな」、と唄っただけで、
今流行のフリーターの代表みたいにされてしまうのは、
初めのうちこそはミーハ−心から面白がっていたが、
実際は勘弁してほしいことだった。
そして家族のことや香代のことやなんやらで丁度価値観が
グラグラと揺すられていたところだから、
フリーターによるダメロックみたいにされるのは勘弁してほしかった。
そうして、就職するべな〜、とか
(オレも年をとって、まともになってきたのかな〜)と
悪ガキだったオレを懐かしんでいた折りに
突然そんなメールがきたのだ。

そりゃ、自分の可愛い娘の交際相手が、
いくら何回も会って打ち解けてきたとはいえ、
普段は「フリーター最高!」なんて謳歌している
さえないバンドマンだったのか、
と知ったらそりゃあ普通心配になるのは当然だ。
恵子さんが、長尾家の家族新聞は面白い、というから
ついついオレも、記事内容をチェックしないで
渡してしまったのがいけなかった。
そしてオヤジのレビューを恨めしく思った。
オヤジは何も悪くないのだが。

で、オレもまともになってきたな〜、と思ったのはどうも気持だけなようで、
将来の人生設計など何も決まってないのである。
頭で(あ〜、こうなれば幸せだろうな〜)とは思っても、
その夢物語をそのまま彼女の母親に告げる訳にもいかず、
結局、将来のことは真面目に考えているし、
それは重要なことだから、いつでもお話します、
という内容のメールを返したら、
「丁寧なメールをありがとう」と納得してくれたのでホッと一息。

相変わらず五里霧中の28の輩。
帰りの遅い香代を待ちつつ煮物、みそ汁、ひじき煮など作る。

posted : 07/02/01/22:23 TOP ↑